2021.01.19

吉田祐也が語る自身と陸上界のプラチナ世代
「箱根だけにとらわれていない」

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Naoki Morita/AFLO SPORT

 ラストスパートで吉田が前に出ると、高宮は「待っていました」とばかりにスパートを返してきて、逆に吉田を一気に抜いた。吉田は離されまいと懸命についていこうとするが、追いつけなかった。

「前半3区まではすごくいい流れができていたんですが、ちょっと落ち込みすぎです。個人としてもチームとしてもよくなかった」

 吉田はあえてエクスキューズをしなかったが、初めてのニューイヤー駅伝はほろ苦いものになった。

 チームは目標を達成できなかったが、個人的には「充実したシーズンだった」と笑顔を見せた。目標にしていた昨年12月の福岡国際マラソンで優勝し、「次世代のエース」として存在感を見せつけた。

 GMOの花田勝彦監督も「一番成長した選手。駅伝でうちのラストを任せられるのは吉田しかいない」と絶大の信頼を寄せる。

 吉田のルーキーとは思えない強さは驚きでしかないが、同世代の活躍も光った。

 富士通のアンカー・浦野雄平(国学院大)は区間賞で花を添え、ほかにも阿部弘輝(明治大→住友電工)や西川雄一朗(東海大→住友電工)、關颯人(東海大→SGH)、阪口竜平(東海大→SGH)、鈴木塁人(青学大→SGH)、伊藤達彦(東京国際大→Honda)、青木涼真(法政大→Honda)、土方英和(国学院大→Honda)、山下一貴(駒澤大→三菱重工)、中村大聖(駒大→ヤクルト)らが出走した。

 また、今回はケガのため出場できなかったが、昨年12月の日本選手権1万mで日本記録を更新し、東京五輪男子1万mの代表に内定した相澤晃(東洋大→旭化成)もいる。

 昨年春に卒業した1997年生まれ(または98年早生まれ)の選手は陸上界を席巻し、まさに「プラチナ世代」といえる。これからの陸上界を背負っていくスター候補生たちだが、なぜこれほどまでに強く、結果を出しているのだろうか。