東洋大は箱根駅伝で再び輝けるか。エースと山上りで「3強崩し」に挑む (3ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by Kyodo News

 宮下の頭の中には、旧コースで最速タイムを叩き出した順天堂大・今井正人(現・トヨタ自動車九州)の「1時間9分12秒」という記録も入っている。"神の領域"に近づいて、往路Vのゴールテープを切ることができれば宮下が4代目の"山の神"となるだろう。

 チームは11月下旬に学内ハーフマラソンを実施。西山、大澤駿(4年)、宮下、蝦夷森章太(3年)という箱根駅伝経験者は参加しなかったが、8人が1時間2分台前半で走っている。全日本を回避した吉川洋次(4年)が好走するなど、チームは順調に仕上がりつつあるようだ。

「全日本は7区の西山が順当なら、3位以内はいけたんじゃないかなと思っています。箱根は5区の宮下が他大学に対抗できる武器になります。ただし2区と6区に不安がある。前年よりも中間層は上がっているので、3年生以下の選手をうまく起用していきたいですね。今回トップ3に入り、再び優勝を狙えるような土台を作っていきたいです」(酒井監督)

"花の2区"は、3年連続で主要区間を担ってきた吉川と、全日本大学駅伝で2区を任されたルーキーの松山が候補に挙がっている。山下りの6区は「59分30秒」でカバーしたい考えで、前回9区を担った大澤が復路の軸になる。

 エース西山と5区の宮下が爆走すれば往路Vのチャンスは十分。鉄紺軍団は自ら攻撃を仕掛けて"3強崩し"にチャレンジする。

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