箱根駅伝で優勝候補・東海大の区間配置を予想。4年の3本柱はどこを走るか (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News

 2区は名取燎太(4年)がその任を担いそうだ。昨年は塩澤が走り、各大学のエースと互角の戦いを見せ、序盤の流れをつくった。今回も本来であれば塩澤に任せたいところだが、12月4日の日本選手権に出場するため、11月はほぼその調整に時間を費やした。ほかの選手よりも距離が足りていないため、タフな2区は回避されることになるだろう。

 名取は、全日本大学駅伝では8区で田澤に競り負けたが、調子は悪くない。各大学のエースや留学生と厳しいレースを戦うことができるのは、今の東海大では唯一無二の選手である。

 3区は長田が有力だ。このコースはわりと平坦で、スピードを出して自分のペースで走れる。気温や風の影響を受けやすいが、長田が札幌出身で寒さに強い。4区にいい形でタスキをつなげられるかが重要になる。

 4区は両角監督が「往路での重要ポイント」と常に重視している区間で、毎年、指揮官が信頼を寄せる選手を配置する。優勝した前々回は館澤享次(現・DeNA)、前回は名取が指名された。

 そこで今回、現時点で両角監督から最も信頼を寄せられているのが塩澤だろう。塩澤自身も「どこの区間でも区間賞を獲る」と語っているように、学生最後の駅伝にやる気十分だ。

 5区は西田しかいない。前回は直前にコンディションを崩して実力を出しきれず、区間7位に終わったが、山上りの実力は証明済み。「往路で青学大らに2分のリードを奪い、復路につなげる」という監督の狙いは可能性十分だ。

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 復路の区間配置だが、まず6区は前大会で区間新を出した館澤のタイム(57分17秒)を求めるのは難しい。ならば、58分台前半をキープできて、調子のいい選手となる。候補は佐藤俊輔(2年)だが、全日本以降の市村朋樹(3年)の調子が微妙だとすると、下りの6区で市村を起用し、勝負をかけてくるかもしれない。

 7区は、例年攻める選手を置いている。前々回は阪口竜平(現・SGホールディングス)、前回は松崎だった。今回、そのポジションにつくとしたら勢いのある濱地進之介(2年)か。

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