2020.12.26

箱根駅伝でスター候補の学生たち。
日本選手権の走りから記録更新も期待

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sankei Visual

 また、大迫傑(ナイキ)の合宿に参加し、スピード強化をするだけでなく、参加したほかの選手と陸上について話をすることで意識や取り組みにも変化が生じた。

「27分台を達成できたこと、トップ争いができたことはいい経験になりました。目標としていたことの9割は達成できたのでうれしく思います。残りの1割はラスト200mをスピードで負けてしまったこと。トップを獲っていれば100点でした」

 そして中谷は箱根駅伝について「日本選手権のようなインパクトのある走りができたらいい」と自信を深めている。

 今年の早稲田大は1年生が好調で、選手層がかなり厚くなった。中谷の同期である太田も27分55秒59でB組3位になるなど、中谷と太田の快走は"早稲田復活"の狼煙(のろし)となりそうだ。

 このふたりのタイムを超えるなど"怪物"ぶりを見せたのが、駒澤大のエース・田澤簾(2年)である。

「27分40秒を目標にして、駒大記録を抜く。日本のトップ選手とどこまで戦えるか、どこまで食らいついていけるか」を目標としていた田澤は、6000mまでは中盤より前にいた。ところが残り10周を超えたところで腰が痛くなり、タイムを落としていく。それでも粘って27分46秒09で8位入賞を果たし、村山謙太(旭化成)が持っていた駒大記録も4秒近く更新した。

 今年は全日本大学駅伝でアンカーを務め、東海大の名取燎太(4年)とのデッドヒートを制し、8年ぶりの優勝に貢献した。速さと強さを併せ持つ田澤は、まだまだ伸びしろがあり、自身も貪欲だ。

「大学2年でこのタイムを出せたので、4年までには学生歴代1位の27分38秒63を超えて、相澤さんのような走りができるようになりたいです」

 次の舞台である箱根駅伝で田澤はどの区間を走るのか。本人は他校のエースが集まる2区ではなく前回の箱根で走った3区を希望しているというが、どの区間を走るにしても区間賞はもちろん、どんなタイムを叩き出すのかにも注目が集まる。