箱根駅伝優勝候補の一角・駒澤大の強みは? カギは1、2年生の活躍

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 ただ、「どの区間でも区間賞と区間記録を狙えるような走りをしたい」と話す田澤は、昨年納得しきれなかった3区を再び走り、優勝に貢献したい、という思いも抱いている。

 1年生のエースである鈴木も、4区とともに2区を希望。「普通なら2区はエースの田澤さんが走るんでしょうが、田澤さん頼みでは勝てないと思うので、自分が2区を走れば田澤さんをほかの区間で生かせると思います」と意欲を見せている。

 各校ともにエースを揃える2区は、集団で走る可能性が大きいため、圧倒的なスピード差がない場合には、ほかの選手を引っ張ってしまい、逆に相手に好走のチャンスを与えてしまうこともある。

 厚底シューズ効果で各選手のタイムが上がっている今の状況では、思ったほど差を広げることができない可能性は大いにある。だからこそ、展開がバラけてくる3区で走力の差を生かし、大きくタイム差を稼ぐという作戦もあるのだ。

 田澤を3区に起用した場合、2区の候補には鈴木のほかにも、全日本で7区を走り、田澤に3位でつないで、逆転のチャンスを作った小林歩(4年/前回7区)もいる。

「前回の7区は1km3分くらいでしか押して行けず、スタミナとスピード不足を感じたので、今年はスピードと持久力の強化を意識してきた」と言うように小林は今年、今年は5000mの自己記録を13分43秒77に伸ばし、1万mもチーム8位の28分38秒75まで伸ばしている。

 彼を"耐える2区"という形でうまく使えれば、3区の田澤と4区の鈴木でライバルを突き放す作戦も取れるかもしれない。そこについては大八木監督も、今回から当日変更が4人から6人になったルールを活用して、選手の調子やライバル校の様子をギリギリまで見て、狙いを絞ってくるだろう。

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