2020.12.24

箱根駅伝2大会ぶり優勝へ。
新戦力台頭で強い東海大が帰ってきた

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News

 1年生がその実力を発揮した一方で、東海大にとって大きかったのは3年生の奮闘だった。

 本間は佐久長聖(長野)からエース候補として入学したが伸び悩み、1、2年は「苦しい時期を過ごしてきた」と語る。そうして3年となった今年、転機が訪れた。

「上半期はしっかりと練習できたんですけど、7月の記録会はまったく結果が出なくて......まだ自分は変わっていないんじゃないかって思っていたんです。夏合宿もそれほど調子はよくなかったんですけど、みんなに声をかけてもらって、ポイント練習を1回もたれることなく消化できました。そこで我慢することを覚えたのが大きかったですね。秋の記録会(平成国際大)の5000mで13分53秒33の自己ベストが出ましたし、それが全日本の走りにつながったと思います」

 自身のメンタルに変化が生じて成長したその背景には、同学年の仲間の存在があったという。

「昨年は市村が出雲と全日本に出場したんですけど、箱根は僕らの学年が誰ひとりとして走ることができなくて......このままじゃいけないと思いましたし、今年に入って長田が急に力をつけてきて、僕も負けたくないという気持ちが芽生えました。それで長田と市村と切磋琢磨して、ここまで上がってくることができたのかなと思います」

 本間が箱根駅伝のエントリーメンバーに入るのは間違いないだろう。

「自分は単独走が得意なので、箱根では復路のつなぎの7区とか8区を走れればと思っています。そこでしのぐ走りができれば、チームの優勝につながってくると思うんです」

 遅れてきた逸材が、いよいよ箱根で本来の走りを見せてくれそうだ。

 その本間から襷を受けた長田は、6区で周囲の度肝を抜くすばらしい走りを見せた。3.5キロ付近で明治大、駒澤大、東洋大らと3位集団を形成。そこからスピードに乗って早稲田大、青学大をとらえた。最後は明治大と競り合いトップに立つと、区間新を叩き出す走りで7区の西田につなげ、大仕事をやってのけた。