立教大が箱根予選会でまさかの28位。惨敗のなかで見えた悲願への道程 (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News

 エントリーされながら首痛で出走を取りやめた関口絢太(1年)は「自分が走ったら4分ぐらい縮められた。来年は絶対に走ります」と上野監督に誓った。期待されながらエントリーメンバーに入れなかった服部凱杏(1年)や市川大輝(1年)も同じことを伝えてきたという。

 今回の予選会の悔しさは1年生の意識を変え、「来年こそは!」と奮い立たせる点火剤となった。上野監督も何が足りないのか、どうすべきかをあらためて考えさせられたという。

「中山や斎藤レベルの選手をあと2、3人は育成していかないといけない。あとは中間層のレベルアップですね。その底上げをしないと来年も厳しい戦いになると思います」

 その言葉どおり、来年に向け、より高みを目指してハードな練習をこなし、個々がさらに成長していかなければ予選会突破は見えてこない。

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 ただ順位は下がったが、個々のタイムを見ると今年の立教大のやり方が間違っていたとは思わない。大事なことは、個々の選手がタイムを出し、しっかり成長していることを見逃してはいけないということだ。もちろん総合順位は重要だが、そればかりを見ていて選手の成長を評価できなければ次につながらない。

「昨年よりも順位(23位→28位)が落ちたといわれるとたしかにそうですが、選手のタイムは確実に進歩のあとが見られました。とはいえ、順位という結果も大事なので、来年はそこと選手の進歩をうまくつり合えるようにしていきたいと思っています」

 上野監督は、早速いろいろと考えているようだ。

「来年の予選会が、今年のような周回コースで、雨がなく、さらに気温が17度ぐらいだと超ハイスピードのレースになります。それに対応し、総合順位を上げるためには、従来の練習法を考えざるを得ないですね。今年の夏合宿は各自ジョグが少し多すぎたかなと思うし、もっと目的を明確にしたほうがいいかなと思うこともありました。

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