異例の箱根予選会では「ホワイトボード」もカギ!? 立教大監督が考える戦い方 (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

 さまざまな規制のあるなかでの予選会になるが、チームは2次合宿の最後に設定した「総合で19番以内」の目標に変化はない。

「天候などコンディションにもよりますが、上位6人ぐらいはいいタイムで走ってくれると思います。7番以降の中間層から下が少し崩れそうかなという感じもしますが、そこが持ちこたえてくれると、来年につなげることができる。彼らがどこまで踏ん張れるかですね」

 レースでは、1キロ3分をどこまでできるかをチャレンジさせる予定だという。

「1年生を含め、みんな力をつけているので面白くなるかと思いますが、予選会は計算できないですからね。昨年経験して、よくわかりました」

◆立教大が考える箱根予選会への秘策>>

 昨年、上野監督が初めて経験した箱根予選会の難しさは、どういうところで感じたのだろうか。

「初めて走る選手は緊張しますし、硬くなってしまう。レースでうまく走れないと焦ってしまうこともあります。そこで『絶対に走らないとダメだぞ』とプレッシャーをかけると余計に走れなくなるので、『ラップを落としてもいいからリラックスして走るように』と、事前にアドバイスしておかなくてはいけない。

 あとは走る前に気温や気候など状況を把握することです。昨年はレース前、選手を走らせることで精一杯になってしまって、予想以上に暑くなったことに対応できなかった。またレースで不測の事態が起きた時、スタッフに指示し、修正していく難しさも感じました」

 昨年は、各ポイントを走り回って選手にゲキを飛ばし、落ち着く暇がなかった。「どしっと落ち着いて椅子に座っているぐらいの余裕がないと、予選会は勝てないのかもしれないですね」と上野監督は苦笑するが、昨年でいえば落ち着いてレースを見られたのは予選会をトップで通過した東京国際大ぐらいではないだろうか。

 そして上野監督は来年以降、難しさにより拍車がかかると感じている。

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