異例の箱根予選会では「ホワイトボード」もカギ!? 立教大監督が考える戦い方 (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

「2年の金城(快)ですね。昨年は練習では安定した走りをしていたけど、試合になると力を発揮できなかったんです。それが今年は試合で力を発揮できるようになり、本当に成長しました。権守(遼大/1年)はスポーツ推薦ではないのですが、合宿ですごく頑張った選手。一般でもやれるんだというのを見せてくれそうなので、そこに期待しています。ただ選手全員をいい状態でしっかり揃えるのは思った以上に大変ですね」

 どういうところに難しさを感じたのだろうか。

「1年生は体ができていないし、体力もまだまだなので、練習の質や量を増やすと、故障したり調整がうまくいかなかったり......。逆に上級生は昨年の経験を生かして走ってくれて、調子を上げてきてくれた。上級生と下級生の両方がいい状態ではまってくれるといいんですが、これがなかなか難しいです」

 今年の箱根予選会は立川駐屯地内の1周約2.6キロの滑走路を周回するコースで行なわれる。例年の立川公園内の起伏のあるコースとは異なり、フラットなコースを走ることになる。

「コースは平坦で周回ですし、景色が変わらないので気持ちが切れてしまう選手が出てくるかもしれないですね。ただ、後半は前の選手が見えるので粘って頑張れるところもあるでしょう。タイムは間違いなく上がると思いますが、切り替えどころがないので作戦的にはすごく難しい」

 今回のレースが通常と異なるのはコースだけではない。コロナ禍の影響によって無観客となり、当日会場に入れるのは選手、スタッフ20名に限定されている。さらに、タイムを含めた選手へのかけ声は禁止となった。

「昨年はポイントを4つに分割し、移動しながら声をかけていたんですが、今年は声をかけられない。ホワイトボードで指示するしかないので、どう伝えるか......。ただタイム差を書いて知らせるだけでなく、選手の刺激になり、頑張れるには何を書けばいいのか。いろいろ考えています」

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