美女ランナー卜部蘭が中学時代に培った反骨心「公園をグルグルした」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 高3で、800mは高校ランキング4位の2分08秒51、1500mは9位の4分18秒30まで自己ベストを伸ばし、10月の日本ジュニアの800mで優勝して初の全国タイトルを獲得した。

 東京学芸大学入学後は、高校時代から続く疲労骨折で練習できない時期もすごした。だが、3年の日本インカレ では800mで優勝を果たし、4年生の時には1500mでも優勝し、学生レベルでの結果は出してきた。それでも大学で力を入れようと考えていた1500mでは、高3の自己ベスト記録を更新できなかった。

「大学でも1500mをメインに考え、課題は最後のスピードだと思ったので、800mは1500mに生かすための種目だと考えていました。しかし、2年生くらいからは、800mの方が記録も出てきたのでそっち寄りの練習が多くなって......。練習メニューは、中学の時に学んだ計画性と高校で学んだ練習法を合わせて、自分で作っていました」

 大学卒業後の2018年は、NIKE TOKYO TCに入ったが、その時卜部に声をかけた理由を横田真人コーチはこう話す。

「『この練習メニューで、よくこれだけ走れるな』と思っていました。国体の東京チームで彼女を見ていて明るい性格や、強いことも知っていたので声をかけました」

 横田コーチのもとで力をつけた昨年4月には、シニアとして初代表となる、アジア選手権の日本代表にも選出された。世界でしか味わえない経験をしたことにより、「1500mで世界に行きたい」という意識が強くなっていった。

「最初はスローペースで、後半の800mでスピードが上がった時に、反応できた部分と、最後に置いて行かれた部分の両方を経験しました。日本とは違うスピード変化がある戦いの中で、自分がどうチャレンジできるかというところに面白さを感じたし、ここで勝ちたいと思いました」

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