箱根予選会へ立教大は戦う集団に。
勢力図を塗り替えることができるか

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

 今回の合宿でも選手個々の状態を細かく確認していた。走力が上がっている選手は多いが、箱根予選会を考えると楽観視はできないようだ。

「ここまで、箱根予選会を走る7番目までの選手は見えていますし、力も上がっている。でも、8番目から14番目までがまだまだです。うちはトップの選手を上げるよりも中間層を強化していかないと総合順位が上がらないんです。そこが課題です。なかなか力が上がらない選手は、各自練習のやり方がもうひとつです。そこでしっかりやっている選手とそうじゃない選手で差が出てきます」

 立教大の合宿の練習メニューを見ると、ポイント練習や強化メニューの合間に各自練習が6日間ある。合宿は13日間なので、約半分が各自練習に割り当てられている。A、Bチームの選手は予選会に向けて高いモチベーションを維持しており、それなりの距離を走る選手が多い。その一方でC~Eチームは、練習量を落としている選手が多い。それは、彼らが選抜メンバー入りをあきらめているからなのだろうか。

「あきらめているわけではないと思います。おそらく、ポイント練習をしっかりやらないといけないということに頭がいっているのでしょう。そこを外すと選抜メンバーに入れないと思っているので、各自練習を疲労回復に使っているんだと思います。でも、僕はポイント練習を外したからといって即メンバー落ちにはしません。

 ポイントをギリギリでこなしてジョグは30分で疲労回復という考えの選手よりも、ポイントをやりきれなくてもジョグで90分走り粘っている選手を評価したいです。疲労回復とかで走らないのであれば、各自練習はA、Bだけにして、Cチーム以下は僕がメニューを考えたほうがいいんですが、そうするとやらされている感じになるし、自分で考えてやらなくなる。あくまでも各自練習は自分で考えて使うものなので......」

 今回の夏合宿は、立教大のコロナ感染予防対策のガイドラインに沿って行なわれている。通常の合宿なら、選手は大部屋か数名での相部屋を利用するが、今回は個室。食事も他大学と時間をずらし、席も正面に人がいないようジグザグに設定されている。

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