「箱根駅伝2024」プロジェクトに暗雲。立教大はコロナ対策をどうしたか (4ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

── そういう取り組みのなか、練習が進まず、メンタル的な問題を抱えたりする選手が出てきていないですか。

「これはうちの陸上部の特徴でもあるのですが、ケガや困ったことがあったらすぐにLINEや電話で連絡してきなさいと伝えています。一般的に、選手はなかなか監督に言いづらいと思うのですが、うちはそんな雰囲気はありません。

 実際『練習メニューができないですけど、どうすればいいですか』とか、『足の調子が気になるので、2週間抑え気味でいいですか』とか、ちゃんと連絡してくれます。それに今は僕が寮にいるので、選手の表情や行動を見て、変わったことがないかチェックしています。みんなから『試合に出たい』という声は出てきていますが、とくにメンタルに問題を抱えているような選手はいないです」

── とくに4年生は大会がなく、厳しい状況が続いています。

「4年生への影響はすごく大きいですね。コロナの影響で就活も厳しいですし、夏合宿まで大会も記録会もないですからね。このままでは箱根駅伝の予選会に出られないかも......という気持ちにならないよう、4年生を中心に『みんなで』という意識になれるよう導いていきたいです」

 上野監督のその言葉からは悔しさが伝わってくる。選手たちは秋のレースや箱根駅伝予選会に向けてモチベーションは高く、個々の練習に取り組んでいる。ただ3月から、大会や記録会が相次いで中止、延期となったことは誤算で、今後の活動に大きな影響を与えている。

(後編につづく)

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る