大迫傑の快進撃は、「魔法のシューズ」のデビュー戦から始まった (4ページ目)

  • 酒井政人●取材・文 text by Sakai Masato
  • photo by Toshihiro Kitagawa/AFLO

「まだ2時間10分までしかイメージできていません。自分が走ったところまでだけです。ボストンはアップダウンがありますが、高速レースの大会はフラットなので、また違った厳しさがあると思います。自分がフラットコースを走ったらどれぐらいかというのは、正直わかりませんね」

「ゴールした瞬間は、『次はもういいかな』と思いました(笑)」と話した大迫だが、その後もマラソンで快進撃を続けることになる。2018年10月のシカゴマラソンで2時間5分50秒の日本記録を樹立すると、今年3月の東京マラソンで2時間5分29秒まで更新。3年前に思い描いていたとおり、東京五輪の男子マラソン代表の座もゲットした。

 2017年のボストンマラソンは、ナイキの厚底シューズ『ズーム ヴェイパーフライ 4%』の"デビュー戦"でもあった。優勝したキルイ、2位のラップ、3位の大迫、2時間21分52秒で女子を制したエドナ・キプラガト(ケニア)も、このシューズを着用していた。その後、この"魔法のシューズ"により世界のマラソンは大きく変わっていくことになる。

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