陸上短距離で高校生女王となった御家瀬緑。大学ではなく実業団を選んだ理由 (5ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by MATSUO.K/AFLO SPORT

 臼井コーチは走り幅跳びの元日本記録保持者なので、走り幅跳びもやりたいと思っている私の特性もしっかり生かしてもらえるのかな、とも思っています。臼井コーチの下なら自分の力を伸ばして強くなれると思ったので、教えてもらいたいと思いました」

 昨年11月に脚を痛めた御家瀬は、骨挫傷と診断を受けて2カ月間走ることができず、1月末になってやっとジョギングができる程度という状態だった。この段階での目標は、4月末の織田記念から試合に出始めて、秋までに11秒2台を出したい、というものだった。

 3月に入って上京した御家瀬は、ナショナルトレーニングセンター(東京北区)を拠点に練習をする予定を組んでいた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止のために発令された緊急事態宣言を受けて、4月から施設は閉鎖されることに。その結果、競技場での練習は控えつつ、できる範囲での練習を続けている。

「今は、スピードよりフォームや感覚を意識するトレーニングが多く、そのたびに動画を確認しながらやっています。コーチからはその時々の修正点やよかった点を指摘してもらい、走りの中の無駄な動きを徐々に減らしていけるように意識して練習しています。コーチの下で練習して目標に向かっていこうという意志は今までよりも強くなりました」

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