神野大地は厚底シューズ問題に持論。東京マラソンで「あわよくば...」は狙わない (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kishimoto Tsutomu

「大迫さんとは一緒に練習したり、食事したり、いろいろ話ができてよかったです。ためになったのは、メンタルの部分ですね。自分の取り組みは間違っていないと思ってやってきたけど、たまに『これで本当にいいのか』って不安になるんですよ。でも、大迫さんは自分がやっている取り組みが正しくて、一番成長できると自信を持ってやっている。やっぱり、自分に自信がないとマラソンは無理だよなって、あらためて思いました」

 驚かされたのは、大迫のメンタルだけではない。練習の質も高く、「あの練習ができた時に2時間4分、5分台のタイムが狙える域に行けるんだろう」と感じ、刺激を受けたという。

 神野は2月6日にケニアから帰国し、その3日後に唐津10マイルロードレースに参戦し、最後まで優勝争いをするなど、上々の結果を残した。

 その1週間前、香川丸亀国際ハーフマラソンで青学大の同期である小椋裕介が60分フラットの日本記録を更新し、続く別府大分毎日マラソンでは後輩の吉田祐也が2時間8分30秒で日本人トップの3位でゴール。これらのレースでも厚底シューズが話題になり、レースの高速化はその影響が大きいと言われたが、神野はそうした声に釘を刺す。

「レースが高速化になっているのは選手の力が上がって、シューズの性能がマッチしたからだと思います。だから、(高速化は)シューズだけのせいではないと思います。囲からはほかの選手のように『(ナイキの)ヴェイパーを履いたほうがいいよ』って言われるけど、僕はニューバランスのトップアスリートなんですよ。プロランナーとして最初に契約してくれたのがニューバランスでしたし、毎回納得できるシューズを提供してくれる。にもかかわらず、結果を出せていないことに対して、申し訳ない気持ちでいっぱいです。サポートしてくれるニューバランスとこれからも一緒に頑張っていきたいと思っています」

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