五輪代表最後の1枠争い。東京マラソンのレース展開を予想する (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 MGCファイナルチャレンジの3大会では、日本記録を上回らなければならないため、第1戦の福岡国際マラソンでも多くの選手が前半からハイペースな走りに挑戦した。また、厚底シューズの影響もあるだろうが、駅伝などでは区間新記録や大会記録が続出している。そんな状況を井上はこう見ている。

「みんな気持ちの面で(スピードに対する)リミッターが外れてきているというのが大きいのではないかと思う。みんながどんどん記録を出すようになると思うので、怖がらずにやりたいですね。日本記録を目指すにとどまらず、4分台、5分台にチャレンジしようと思います。そのうえで東京マラソンの優勝にも挑戦していこうという気持ちです。これまでも4分台や5分台は絶対にというか、そこに必ず至るという気持ちでやってきているので、そこに挑戦し続けていくことに変わりないです」

 こう話していた井上は、ニュージーランド合宿を経て東京マラソンに狙いを定めている。

 一方、設楽はいつものようにレースをこなしながら調整している。元日の実業団駅伝では井上と同じ4区を走り、1時間04分36秒の区間3位。9位でタスキを受け取り、順位を4位まで上げた。

 その後、宮崎市内で合宿を公開した時には「2時間4分台で走らないと東京五輪を走る資格はないと思う。2時間5分台なら日本記録でも五輪代表は辞退すると思う」と強気な発言が伝えられた。

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