競歩は東京五輪で複数メダルの可能性大。代表争いはさらに激化! (5ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Naoki Morita/AFLO SPOR

「東京五輪で優勝することで何が見えるかというより、勝つために取り組みを進めていく中で何を思って見るかですね。そのプロセスにいろんな色とか幅を出していきたい。もちろん結果は一番大きいからこそ、プロセスにこだわる必要があると思います。東京は中間地点。自分が先々追っていこうとしている方向に、永遠にゴールはないと思います」

 そうやって競技を続ける理由については、「どこかにあるかもしれない、きれいなものに向かって進んでいるのが好きなんだと思います」と微笑みながら話していた。

 そんな西山が、日本選手権初制覇でその道をまた一歩進んだのは確かだ。

 今回決まらなかった東京五輪の2枠目と3枠目は、3月15日に行なわれる全日本競歩能美大会に持ち越されることになりそうだ。そこには、昨年の世界選手権50㎞で優勝して、すでに同種目の東京五輪内定を取っている鈴木雄介(富士通)も出場予定だ。

 鈴木は20㎞世界記録保持者というプライドもあり、優勝を狙っている。そんな鈴木を相手に、今回悔しい思いをした高橋や、山西の仕掛けに対応しきれなかった池田がどんな戦いを見せるか。

 東京五輪で"金メダル獲得"の可能性がある層の厚さを誇る競技だからこそ、山西に続く選手たちの充実も必要になる。複数メダルの可能性もあるだけに、国内の激しい競り合いに期待せずにはいられない。

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