競歩は東京五輪で複数メダルの
可能性大。代表争いはさらに激化!

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Naoki Morita/AFLO SPOR

 こう振り返った山西は、そのあとのレース展開をこう考えていた。

「自分がそれまでに1回仕掛けているので、英輝さんの警告の枚数とにらめっこしながら......。もし2枚のままだったらどこかで勝負しないといけないけれど、自分が消耗している分、予定していた距離より短くなったところでスパートしてもいいかなとか、でも残りが短すぎたら英輝さんの得意な範囲に落ち込んでいってしまうので、どうしようかなと考えていました。そうしたら英輝さんに3枚目が出たという感じです」

 高橋の警告カードは16km通過前に3枚目が出たが、そこで前の1枚が誤りと判明して2枚に戻った。だが18kmを過ぎたところで再び3枚目が掲示され、ラスト1周に入る前に2分間のペナルティが与えられた。

 その結果、山西が1時間17分36秒で優勝。高橋は1時間19分53秒で3位になった。

「ラストの怖さを持つ英輝さんと競り合いになっていたら、どうなっていたかはわからないですが、チャレンジする余力はあったと思います。でも結局、勝負を仕掛けたのではなく、警告の枚数で決まってしまった。最後の競り合いで勝ち切れたわけでもなく、勝負の方はパッとしなくて残念でした」

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