2020.02.07

室伏広治は五輪優勝後に思った。
「金メダルよりも重要なものがある」

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

「もうちょっとのところでした。でも、ステップをきちんと踏んで最後まで試合をすることを考えていたので、落ち着いて最後まで自分の投擲を実行できたという面ではよかったと思います。6投目は自分でも『いった!』と思ったけど、去年の暮れから新しく取り組んでいる技術の面ではまだ途中の段階なので、やることはたくさんあります。この4年間で大きく成長したと思うけれども、これからの2~3年でさらに記録を伸ばせる手ごたえはあります」

 父・重信氏は「ハンマー投げでは同じ動きを続けていくことはたいへん難しいし、『これだ!』という動きも必ず崩れてしまうので、常に新しいものを取り入れながらやっていかなければいけない。そのような競技で、世界選手権と五輪で立て続けにメダルを獲っていること自体がすごい」と評価した。

 00年5月の大阪国際グランプリで、初の80m台となる80m23を投げた室伏は、雨中の戦いとなったシドニー五輪では9位にとどまったが、その直後の、グランプリ(GP)ポイント上位の選手のみが出場できるGPファイナルで、80m32を投げて2位に入った。身長187cm、体重89 kg(当時)とこの種目では小柄ながら、世界トップの仲間入りを果たした。