東海大・両角監督が青学大の走りを改めて警戒。新しい取り組みに着手 (4ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

 館澤は夏にケガをしてから、西川にチームの舵取りを任せ、その西川も役割をまっとうした。その恩を感じていたからこそ、箱根3区で悔し涙を流した西川の分まで......という思いで走り、6区で区間新を記録した。お互いを思いやり、信頼し合える仲間がいれば、チームはうまく回っていくものだ。

 両角監督も新キャプテンとなった塩澤に期待を込める。

「館澤は最後にしっかりと結果を出し、さすがキャプテンというのを見せてくれたし、西川はチームの精神的な柱になった。塩澤も結果で示せる選手だと思いますし、西川のようにいろんなことをしっかり言えるキャプテンになってほしいなと思います。そうして自分のキャプテン像をしっかり確立してほしい」

 塩澤は1月25日から飯澤千翔(1年)とともにアメリカの北アリゾナ大で合宿をスタートさせる。昨年も同時期にアメリカに行き、フォーム改造に着手し、飛躍のきっかけをつかんだ。黄金世代が抜けたあとのチームづくりをどうすべきか。考えることはいろいろあるだろうが、まずは自分の走りを高め、強くなることを最優先する。

 塩澤にとっては、あらゆる面で試されるシーズンになることは間違いない。

  『箱根奪取 東海大・スピード世代 結実のとき』

【発売日】2019年10月4日

【発行】集英社

【定価】1,300円(本体)+税

【内容】2019年1月3日──。 往路2位から復路8区の大逆転劇で みごと箱根駅伝初優勝を飾った東海大学。 その“栄光”にいたる道程にあった苦難や葛藤、 当日のレース模様などを 監督、コーチ、選手たちの証言を交えて 鮮やかに描き出す。

そして、「黄金世代」と呼ばれて輝きを放ってきた 現4年生たちが迎える学生最後のシーズン。彼らはどのような決意で箱根連覇に挑むのか。 出雲・全日本も含む3冠獲得を目指し、東海大学の「黄金世代」が駅伝シーズンに向け、再び走り出す 。

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