東海大・両角監督が青学大の走りを改めて警戒。新しい取り組みに着手 (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

 本間は筋肉がついて、少したくましくなったように見えた。もともとセンスと実力のある選手。名取燎太のように3年になって開花するケースもあるので、今回の本間の結果はチームにとっても非常に大きかった。

 このレースで圧巻の走りを見せたのが、箱根を奪還した青学大だった。箱根のエントリーメンバーに入っていない5人が62分台のタイムを叩き出したのである。

 両角監督は警戒心をあらわにした。

「すごいですね。天気がよく、風もないという好条件のなか、中村(匠吾)選手が出場したので思い切って突っ込んでいけたというのもあるけど、それにしても青学大は強い。うちも含めて、なんとかしていかないといけないですね」

 怖れを知らない突っ込みを見せる青学大の強さは、今年の箱根でも際立っていた。今回のレースも中村のハイペースについていった結果、好タイムが生まれた。驚異的な突っ込みが箱根では区間新ラッシュを生んだが、それが青学大に浸透している。両角監督は言う。

「今回の箱根は平均ペースがすごく上がった。青学大は躊躇なく突っ込んでいくし、それがレースで大きな差となって表われた。ウチが多少詰めることができた7区、8区でも青学大の選手は突っ込んで走っていた。ハイペースで持つのだろうかという心配が、青学大の選手にはまったくありませんね」

 なぜ青学大の選手はハイペースで突っ込んでいけるのだろうか。

「青学大の選手は突っ込める勇気がある。その背景には自信があると思うのですが、ウチもそれをどうやってつくっていくのか。距離をしっかり踏むのか、スピードをより強化して5000m、1万mで自己記録を更新していくのか。ただ、タイムを上げても突っ込んだ時に持つのか、という不安があるので、それをいかに払拭できるのかが大事になってくると思うんです。そのためにはトレーニングを見直す必要があるのかなと思います」

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