2020.01.10

東海大が箱根再奪取へ。「黄金世代」
卒業後の2つの重要ミッション

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 とりわけ期待がかかるのが塩澤だ。

 塩澤にとって、2019年は飛躍の1年となった。出雲、全日本、箱根の3大駅伝すべてを走り、ケガなくシーズンを終えることができた。箱根では2区を任され、設定タイムを大幅に超える走りを見せた。だが、初めて走ったことで、逆に箱根の怖さを知ったという。

「2区はつなぐことが大事だと言われていたので、気負いすぎず、ほかの選手との差も意識しすぎず、自分の力を出し切ってつなげればいいと思っていました。(1区の)鬼塚(翔太/4年)さんから襷をもらった位置がすごくよかったので、気持ちよく走ることができました。ただ、初めて箱根を走って、思っていたとおりに進まないのが箱根駅伝なんだということがよくわかりました」

 その経験を踏まえて、自らチームを牽引していくことになるが、不安はなく、むしろ新しいカラーのチームをつくりたいと意欲的だ。

「負けてしまったことは悔しいですけど、連覇して、またすごい注目を浴びながら走るよりはチャレンジャーとして戦っていけるし、気負わずに走ることができると思うんです。それに黄金世代がいなくなるので、ここから1年で成長した選手を使うしかなくなります。実績の少ない選手ばかりですが、この1年で大きく成長すると思うし、それを期待しながら練習していきたい。

 新しいチームにガラリと変わりますが、来年の箱根は自分と名取、西田が頑張って区間新で区間賞を獲るぐらいの走りができれば、相乗効果で今年の青学のように初めて箱根を走る選手が区間新を出すようなチームをつくり上げることができるんじゃないかと思います」

 今回、他大学では岸本大紀(青学大)、田澤廉(駒澤大)といった怪物級の1年生が出てきた。東海大もこの春に入学してくる新1年生への期待はあるが、これまでいたメンバーも黙っていない。

 鈴木雄太(3年)は「次は絶対に自分が走る」と決意を新たにし、米田智哉(3年)も気持ちは同じだ。また竹村拓真(1年)は、来年、西田の区間配置によっては山上りの5区を担当する可能性もある。今回、エントリーされながらも箱根を走れなかった選手たちは、順調に伸びていけば、来年の箱根メンバーの最有力候補である。