最後の箱根で東海大・館澤亨次が魂の走り。主将を勇気づけた黄金世代の絆 (5ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Matsuo/AFLO SPORT

 館澤と話をしていると、いろんなことが走馬灯のように駆けめぐる。

 2年の後半から1500mで勝てなくなり、どん底まで落ち込んだ。3年になって吹っ切れると、関東インカレや日本選手権で優勝。駅伝では、連覇のかかった出雲で敗れて、ひとり号泣していた。箱根駅伝で初優勝したあとは緊張感のないチーム状況を憂い、主将として悩み続けた。いろんなところで壁にぶつかり、悩み、涙して、成長してきた。そんな館澤には、心から「お疲れさま」という言葉を贈りたい。

 箱根駅伝が終わり、厳しい練習と節制の生活も終わった。

「明日から筋肉痛とかヤバいっすね。でも、ハンバーガーとか食べられるんで(笑)」

 いろんなものから解放された大学4年生の素顔が、そこにはあった。

  『箱根奪取 東海大・スピード世代 結実のとき』

【発売日】2019年10月4日

【発行】集英社

【定価】1,300円(本体)+税

【内容】2019年1月3日──。 往路2位から復路8区の大逆転劇で みごと箱根駅伝初優勝を飾った東海大学。 その“栄光”にいたる道程にあった苦難や葛藤、 当日のレース模様などを 監督、コーチ、選手たちの証言を交えて 鮮やかに描き出す。

そして、「黄金世代」と呼ばれて輝きを放ってきた 現4年生たちが迎える学生最後のシーズン。彼らはどのような決意で箱根連覇に挑むのか。 出雲・全日本も含む3冠獲得を目指し、東海大学の「黄金世代」が駅伝シーズンに向け、再び走り出す 。

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