箱根駅伝の区間エントリーからレース展開と各大学の思惑を予想した (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 その中でも1区の鬼塚翔太(4年)と5区の西田壮志(3年)は、前回も区間6位と区間2位の結果を出しているだけに、信頼してのエントリーだ。また6区の羽田智哉(4年)も、しっかり準備させてきたからこそのエントリーと思える。さらに8区には前回区間新で優勝を決めた小松陽平(4年)を置き、7区も1年生ながら上尾ハーフではU20日本歴代5位の1時間02分11秒を出している松崎咲人。また10区も前回の経験者で全日本でも6区区間1位の郡司陽大(4年)を配置する、信頼のエントリーになっている。

 名前や実績にとらわれずとも、調子のいい選手を使えば優勝できるという両角速監督の余裕がえるエントリーだが、4区は当日変更で前回区間2位の館澤を起用してくる可能性が高い。2区には11月の1万mで28分16秒17を出している塩澤稀夕(3年)をエントリーしているが、そこを全日本で力をみせた名取か、前回は7区を走った阪口を入れてくるかも注目だ。

 もし塩澤をそのまま使えば、そのふたりのどちらかを9区に起用してもひとりが余る。3区にエントリーしている西川雄一朗(4年)は全日本ではチームで唯一の区間二桁順位の10位だったが、そこを当日変更で変えれば前回区間7位で走っている選手を外すという贅沢な選手層の厚さだ。

 どちらにしても、往路をそこそこのタイムでしのげれば、総合優勝は確実と思える戦力を持っているだけに、東海大の注目ポイントは、どのように当日変更をしてくるかということになりそうだ。

 他には往路優勝を狙う国学院大も、2区には土方英和(4年)で3区は青木祐人(4年)、5区には浦野雄平(4年)と前回の経験者を並べるオーソドックスな布陣で挑んできた。当日変更がありそうなのは、様子見をした1区と4区だが、控えに回している主力の藤木宏太(2年)を1区で使って流れに乗せるか、4区に起用して5区の浦野に勢いをつけるかが悩みどころだ。出雲では2区で区間3位、全日本は4区で区間4位の中西大翔(1年)が4区で他大学のエース級と勝負をできそうなら、藤木の1区で勝負に出る可能性がそうだ。

 東海大の選手層の厚さは圧倒的だが、他校も戦い方によっては勝利が見えてくる。

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