後藤晴菜アナ×佐藤俊が教える「知れば面白くなる箱根駅伝観戦のツボ」 (3ページ目)

  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

後藤 そうですね。原監督もユーモアがあって、取材に行くのが本当に楽しいです。先日、青学大OBの森田歩希(現GMO)選手を取材しました。原監督から駅伝の区間を発表される前に、選手たちの間でも予想するそうなんです。それで実際の発表を聞くと、誰もが想像しなかった区間配置があると......。ただ、そのサプライズもきっちり結果となって表れる。原監督にしか見えない選手それぞれの強みがあるんだという話をされていて、あらためて原監督のすごさに気づかされました。

佐藤 原監督というのは、ずっと寮で一緒に住んでいるからこそ知り得る情報をベースに、選手の長所を見極めて区間配置するという話を聞いたことがあります。監督と選手では、結構、見方に差があります。東海大もすごく差があるらしいです。

後藤 そうなんですか。

佐藤 で、その差をどういうふうに埋めていくのかという作業を、東海大はやったそうです。以前は、監督が実績と経験を考慮して決めていたそうなのですが、選手と温度差があって、結果も出なかった。今は選手とまめにコミュニケーションを取りながらやっていると。もちろん、最終決定は監督にあるのですが、以前ほど大きな考えの差はなくなったみたいで、それがいい結果につながったのかもしれないですね。

後藤 そういうのもチームそれぞれに特徴があって面白いですよね。

佐藤 駒澤大の大八木(弘明)監督も名物監督のひとりです。

後藤 「男だろ!」でおなじみですけど、厳しい面だけでなく、選手と監督の信頼関係、絆の深さが感じ取れますよね。

佐藤 一緒に食事したり、サウナに入ったり。見ていて、監督と選手のいい関係性というのがわかります。

後藤 今回、東京五輪に内定した中村匠吾選手は、大学卒業後も大八木監督と二人三脚で練習していますよね。

佐藤 出雲を制した国学院大の前田(康弘)監督も、大八木監督の教え子ですよね。

後藤 レース後、ふたりでお話しされている姿を見ました。大八木監督は悔しい表情のなかで、どこかうれしさもある様子でした。昨年、国学院大を取材した時に、前田監督は「いずれ優勝できるチームになる」とおっしゃっていたのですが、早くもそれが実現。大八木監督にしてみればまたライバル校が増えたわけですが、それよりも教え子が強いチームをつくったうれしさ、というのを見られた気がしています。

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