後藤晴菜アナ×佐藤俊が教える「知れば面白くなる箱根駅伝観戦のツボ」 (2ページ目)

  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

佐藤 スタートで遅れてしまうと、その後が大変ですからね。ただ、2区にエースを置くことによって、出遅れたチームは取り返せるし、うまくリードできたチームはさらに差を広げることができる。いま2区の話になりましたけど、気になる区間はありますか。

後藤 ひとりの箱根駅伝ファンとして好きなのは、1区と2区です。今年の箱根はどうなるんだろうという独特の緊張があるのは、やはりこの2区間。どのチームも勢いをつけたい。区間配置から駆け引きが始まるように、見どころが多いですよね。一方で、取材する立場になって大切さに気づいたのは4区ですね。往路の最終区間である5区にどのような状態で襷(たすき)を渡せるのか。4区にどんな選手を置けるのかによって、そのチームの選手層の厚さがわかるというか、非常に大事な区間だと思います。

佐藤 前回の箱根がまさにそうでしたからね。青学大は(当時)2年生の岩見(秀哉)選手を置いたのに対し、東洋大は相澤(晃/当時3年)選手、東海大は館澤(亨次/当時3年)選手というエースクラスの選手を入れてきた。そこがすべてではないですが、レースの行方を大きく左右したのは間違いないですよね。

後藤 4区は要注目ですね。

佐藤 それに箱根駅伝に出る大学は監督も個性的で、そこも見ていて楽しいですよね。

後藤 私、入社1年目の第90回大会で初めて箱根駅伝に関わったのですが、その大会で東洋大が優勝したんです。私は1号車に乗って、先輩アナウンサーのサブとして働いていたので、運営管理車からの酒井(俊幸)監督の声をずっと聞いていました。優勝に向けてどの区間も落とすわけにはいかないという状況のなかで、やはりその声に厳しさを感じました。ところがその後、監督を取材させていただいた時に感じたのは、選手それぞれを思う愛の大きさ。勝負師としての目と、選手を思うやさしい目が切り替わる瞬間が、箱根駅伝ファンの心をつかんでいるように思います。

佐藤 勝負の厳しさというのを、酒井監督自身が一番よくわかっているのかもしれないですね。青学大の原(晋)監督も厳しさとやさしさを持った監督です。

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