箱根駅伝で東洋大は「序盤から猛攻撃」。相澤晃と3年生の奮起がカギ (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 復路では、6区に前回区間3位の58分12秒で走った今西駿介(4年)がいて、酒井監督が「できれば58分切りで行ってほしい」と言うように勝負区間にできれば、7区には先頭を争う位置で入れる可能性もある。

「5区の候補になっている宮下隼人(2年)も、出雲では4区で区間4位、全日本は8区を走っているので、平地区間にも使える。出雲と全日本では4年生の安定感は見せられたが、もう一歩届かなかったのは3年生の安定感がなかったから。復帰してほしい選手もいるので、3年生がしっかりすれば1、2年生も安心して走れるかなと思います」

 今回の東洋大のエントリーを見ると、1年生が6人、2年生が2人、そして柱となる4年生と3年生は4人ずつ。上級生の8人は確実に走ることが要求される。

 相澤も「今季の駅伝は4年生中心で結果を残しているが、3年生は走れなかった選手がいたり、走っても結果が出せなかったりしている。それでも全日本が終わってからは3年生を中心に盛り上がってきている実感がある」と言う。

 さらに1年生について、相澤はこう話す。

「1年生は一番多い6人ということですが、練習でも自分が1年生だったらできないだろうなという練習をこなしていたので、すごく頼もしい存在。走りを見ていると『絶対に(箱根に)出たいんだ』という気持ちも伝わってくる選手が1年生は特に多いので、彼らが出場しても緊張しないようなリードを作って、気持ちよく走らせてあげたいと思う」

 昨年の4年生までは、全日本の優勝も知っている世代だったが、現在の選手たちは三大駅伝の優勝経験はなく無冠だ。学生最後となる今大会、優勝する経験や姿を後輩たちにも見せたいと思っていると相澤は言う。それを実現するための最大のポイントは、3年生4人の復調と頑張りになってきそうだ。

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【発売日】2019年10月4日

【発行】集英社

【定価】1,300円(本体)+税

【内容】2019年1月3日──。 往路2位から復路8区の大逆転劇で みごと箱根駅伝初優勝を飾った東海大学。 その“栄光”にいたる道程にあった苦難や葛藤、 当日のレース模様などを 監督、コーチ、選手たちの証言を交えて 鮮やかに描き出す。

そして、「黄金世代」と呼ばれて輝きを放ってきた 現4年生たちが迎える学生最後のシーズン。彼らはどのような決意で箱根連覇に挑むのか。 出雲・全日本も含む3冠獲得を目指し、東海大学の「黄金世代」が駅伝シーズンに向け、再び走り出す 。

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