箱根駅伝で東洋大は「序盤から猛攻撃」。
相澤晃と3年生の奮起がカギ

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 その場合1区に誰を使い、どんな調子かというのが相澤の起用区間を決める上で必要になる。「全日本の時は練習があまりできていなかったので、スタミナ面でも走り方でも彼本来のパフォーマンスではなかったが、ここにきてしっかりしてきている」と酒井監督が言う、1区のスペシャリストの西山がどのくらいの状態で使えるか。

 前回西山は、2位の中央大には1秒差で、3位の青学大は6秒差、6位東海大には8秒差の中継だった。その位の差だと、全日本よりも距離の長い箱根では最初から飛ばす走りは難しく、追いつかれて、ついてこられる可能性もある。

 しかし2年前は、2位の国学院大に14秒差、5位青学大は25秒差、7位東海大には32秒差という走りをしている。そのくらいの差を作ることができれば、相澤も2区の序盤でライバルをしっかり突き放し、相手に気落ちさせるような状況に持ち込んで大差をつけられる可能性はある。

 西山を1区で、1年の時のようないい状態で使えるかどうか。もし西山の状態が万全ではなかったり、他の選手を使うような状況になれば、相澤は単独で走ってタイム差を稼げるであろう4区での起用が、チームとしては他大学とのタイム差を稼げる可能性が高い。

 ただ、相澤が4区になった場合、前回2区を1時間07分37秒の区間4位で走った山本修二のような準エース格といえる存在がいないことが、今年の東洋大の弱点かもしれない。

 その役割を今季が三大駅伝デビューながらも、出雲は最長区間の6区を区間3位で走り、全日本では17.6kmの7区で、タスキを5位で受けると、区間2位の走りで3位にしてつなげた定方駿(4年)が果たしてくれれば楽になる。

 3区に前回区間4位の走りをした吉川洋次(3年)を使って、2区と同様にしのげれば、5区も前回走った田中龍誠(3年)で、往路優勝とはいかなくても、トップとそこそこのタイム差で終えられるだろう。

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