箱根駅伝で東洋大は「序盤から猛攻撃」。相澤晃と3年生の奮起がカギ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 一方で、前回区間新を出してトップに立った4区も意識しないわけではない。

「4区にはいいイメージを持っていますが、前回は最後の5kmでタイムを上げることができなかった。そこを上げていけば、前回出した区間記録より、30秒から1分は早くいけると思います」

 1万mこそ、出場予定だった11月下旬の八王子ロングディスタンスはスキップして3年の時の自己記録を更新できていないが、5000mは4月の金栗記念で19年日本人学生1位の13分34秒94の自己新を出し、ハーフマラソンも3月の日本学生ハーフで日本人学生1位の1時間01分45秒を出している。さらに、全日本大学駅伝の3区では10kmを27分47秒の超ハイペースで通過し、それまでの区間記録を1分08秒も更新する快走をした自信は大きい。

 その走力をチームとして最大限に生かすには、区間の選択も重要になる。酒井俊幸監督も相澤を生かす方法について、こう話す。

「(相澤が)2区の場合は、1区で劣勢になると、そこから戻さなければいけなくなってしまうこと、抜く時に他の選手を一緒に連れて行ってしまうことがある。相澤のところでは取り戻すのではなく、貯金を作りたい。その貯金がどこでできるかですね」

 さらに「往路は順位も大事だけど、タイム差を意識しているチームが非常に多いと思います。今年はハーフマラソンでもいいタイムを出している選手は多いですが、持ちタイムの高い選手を多く持っているチームこそ、往路を何とか少ないタイム差でしのいで、復路勝負を描いていると思う。それに対して東洋大としては、序盤から猛攻撃をかけて往路を縦長の集団に持っていくパターンが好ましいかなと思っています」と戦術を話す。

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