箱根優勝へ駒澤大のカギを握る田澤廉。主力選手の区間配置も考えた (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 一方、復路は「6~7区くらいまではしっかり往路の流れを落とさないようにして、9区と10区は耐えるレースをするしかないという感じです」(大八木監督)と言うが、6区には前回区間6位の59分04秒で走った中村大成(4年)がいて、7区も前回区間4位の1時間03分57秒で走っている小島海斗(3年)という経験者が残っている。

 8区には勢いのある1、2年生を起用できれば、ハーフで1時間02分17秒を持つ大坪桂一郎(4年)や1時間02分56秒の神戸駿介(3年)。彼らに加え1時間03分04秒のタイムを持ち、全日本も6区を区間4位で走っている加藤淳(3年)がいるだけに、復路もいい勝負ができそうだ。

「東洋大や国学院大、青学大など、どこも往路優勝を狙ってくるだろうから厳しい戦いになると思います。層の厚さや総合力を見れば東海大が抜けていて、往路3位くらいで行って復路で逆転というのを考えているだろうから、どの大学も勝つためには往路で東海大に2~3分差を付けたいと考えていると思います」

 今回は確実に3位以内に入り、来年、再来年は優勝を目指して勝負に行きたいと大八木監督は言う。そのためにも、往路でいい流れを作ることが駒大の絶対条件。中でも大きな可能性を持っている田澤を、どこで起用して機能させるかが大きなカギになりそうだ。

  『箱根奪取 東海大・スピード世代 結実のとき』

【発売日】2019年10月4日

【発行】集英社

【定価】1,300円(本体)+税

【内容】2019年1月3日──。 往路2位から復路8区の大逆転劇で みごと箱根駅伝初優勝を飾った東海大学。 その“栄光”にいたる道程にあった苦難や葛藤、 当日のレース模様などを 監督、コーチ、選手たちの証言を交えて 鮮やかに描き出す。

そして、「黄金世代」と呼ばれて輝きを放ってきた 現4年生たちが迎える学生最後のシーズン。彼らはどのような決意で箱根連覇に挑むのか。 出雲・全日本も含む3冠獲得を目指し、東海大学の「黄金世代」が駅伝シーズンに向け、再び走り出す 。

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