箱根制覇へ青学大は原監督の戦略がカギ。調子は上向きも強み区間がない (2ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by Nikkan Sports/AFLO

 12月10日のチームエントリー後に行なわれた監督トークバトルでは、チーム状態を表すように原監督の言葉に勢いがあった。恒例のキャッチフレーズは、「やっぱり大作戦」と命名。「やっぱり今年の4年生は強かった。やっぱり今年の青学は強かった。やっぱり青学を応援してよかった。そういう形で、大手町に笑顔でゴールしたい」と、"やっぱり"を連呼した。

「バランスがよくなってきたのかなと思っています。各学年に、いわゆる"走れるメンバー"を準備できた。竹石(尚人/4年)が外れたことは残念ですが、1万mの平均タイムは一番上ですし、いい状態でこられたと思っています」

 登録メンバーは4年生4人、3年生5人、2年生3人、1年生4人。前々回、前回と5区を走った竹石は左足痛のため、登録メンバーから外れたが、各学年のバランスはいい。近年は上級生が大半で、1年生は少数だっただけに、この数年にはない傾向だ。

 総合力は高く、仕上がりのよさもうかがえる。しかし、区間配置が悩ましい。過去5大会は確実にアドバンテージを奪える区間がいくつもあったが、今回はストロングポイントが見当たらないのだ。

 原監督も区間配置については明言を避けている。そのかわり、「全区間5位以内が必須。できれば3位以内を多くしたい」と、確実な継走で勝負に出るつもりだ。

 素直に考えれば、1区は出雲と全日本で1区を担った湯原か、前々回1区で区間5位と好走している鈴木が候補になるだろう。主将・鈴木は、今季は貧血に悩まされて出雲を欠場。全日本は「6~7割」の状態だったが、調子を上げてきた。

 2区は日本インカレ5000mで2年連続の日本人トップに輝いた吉田圭太が有力だ。しかし、吉田は出雲3区で区間4位。全日本7区は終盤にペースダウンして、駒大・田澤廉(1年)に区間賞を奪われている。終盤に厳しい上りが待ち構えている"花の2区"での快走はイメージしにくい。

 その吉田本人は、2区だけでなく3区出走の希望も持つ。前回(森田歩希)のように、3区に配置したエースで稼ぎ、2区は確実につなぐという戦略も十分に考えられる。出雲2区と全日本3区を好走した岸本も、往路での起用が有力。岸本本人は「2区か4区を走りたい」と口にしており、1年生の2区抜擢も十分にあるだろう。

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