箱根で東海大を脅かすのはどこか。
ライバル校の強みがそれぞれ見えた

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 それでも7区では、好調を買われて起用された定方駿(4年)が区間2位の走りをした。箱根では、5区を志願している8区の宮下隼人(2年)は、酒井監督が「ハーフマラソンはまだ関東インカレだけで、速いハーフの経験が足りなかった」と言うように、スタートから前を追わなければいけない展開になったことで後半は失速し、順位を再び5位に落としてしまった。

「西山の調子が悪くても使わなければいけなかったというのは層が薄いということ」と言う酒井監督だが、西山も箱根では1区で2年連続区間賞獲得と勝負強さはあるだけに、これからきっちり仕上げてくるはず。

 それに加え、箱根へ向けては定方が往路で使える目途が立ったことは大きい。「その時の調子が如実に出る5区と6区で予定より2分遅かったものの、それがなければ東海大の前でアンカーに渡せていたかもしれない。これで吉川洋次(3年)が戻ってくれば、復路にも厚みを出すこともできる。定方の成長と吉川の復帰は去年にないもの。あとは2区を走った山本修二の代わりを作らなければいけない」と酒井監督が言うように、箱根の戦いも見えてきた。

 一方、出雲駅伝では最終6区で国学院大に逆転されて2位だった駒澤大も、「勝負区間」と自信を持っていた長距離区間の7区と8区が機能して、6区終了時点の8位から3位まで順位を上げるしぶとさを見せた。

 1区の中村大聖(4年)については「(6区を走った)出雲ではよくなかったが、一斉スタートの1区なら何とかすると思った」と大八木弘明監督が言うように区間2位の走り。2区の小林歩(3年)も区間5位ながら2位を守る走りをしたが、心配していた3区の神戸駿介(3年)が足首をひねった影響もあって順位を10位まで落とした。それでも5区の中村大成(4年)が区間6位、6区加藤淳(3年)が、区間4位の走りで8位まで盛り返すと、出雲の3区ではラスト勝負で相澤に競り勝った1年生の田澤簾が、「練習を見ていて(勝負は)17kmと思っていた」と大八木監督が言うとおり、7区を区間賞獲得の走りで4位まで順位を上げ、その大器ぶりを見せつけた。さらに8区の山下一貴(4年)も区間3位と成長を見せた。

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