2019.11.01

東海大が全日本大学駅伝奪取へ視界良好。
現状での最強メンバーはこれだ

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Jiji photo

 7区は松尾淳之介(4年)の可能性が高い。夏合宿での練習消化率は100%で、故障もなかった。札幌マラソン(ハーフ)では9キロ地点で名取燎太(3年)に抜かれるまで先頭を走り、集団を引っ張った。途中、腹痛が起きて5位に終わったが、それがなければ松尾が勝っていたかもしれない展開だった。昨年は駅伝に絡めず、悔しい思いをした。最終学年になり「今年こそは」の思いが強く、コンディションも良好だ。レースでは、必ずいい走りを見せてくれるだろう。

 8区は、その札幌マラソンで優勝した名取だ。直前の選手コンディションによって西田や松尾という選択肢もあり得るが、今年の名取はロングで両角監督から絶対的な信頼を寄せられている。10月6日の札幌マラソン(ハーフ)でも6244秒で優勝するなど、ガラスの足鋼の足になった。東洋大の相澤晃(4年)、国学院大の土方らとの争いになる可能性が高いが、名取が各大学のエース相手にどのくらい戦えるのか。そして、その先の箱根の重要区間を担えるかどうかを見極めるレースになるだろうが、今の名取からは快走する姿しか想像できない。

 予想したメンバーを見ると、黄金時代の主力が不在……言わば飛車角抜きだ。キャプテンの館澤が故障でメンバーから外れ、膝を痛めている關も回避するだろう。鬼塚はアキレス腱痛で、阪口竜平(4年)は腰の故障もあって出雲駅伝では力を発揮できなかった。鬼塚と阪口については、走れない状態ではないと思うが、おそらく両角監督は彼らの起用を見送るのではないか。出雲駅伝と同じようなミスはできないし、なにより箱根駅伝に向けて万全を期すためだ。

 たしかに今回、主力が走れないのは相当痛い。他大学は、東海大を要警戒から注意程度にとどめるかもしれない。だが、今の東海大は黄金世代と呼ばれる4年生の主力に頼りすぎず、塩澤、名取、市村など、それぞれが違う役割を果たせる力をつけた選手が出てきた。個性が異なるヒーローが集結する、まるでアベンジャーズのような強力なチームになりつつあるのだ。それが、今の東海大の強みでもある。