110mハードル高山峻野が世陸で目標達成。弱気節連発も記録はよい (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kishimoto Tsutomu/PICSPORT

 高山が進出できなかった夜11時からの決勝は、予選とほぼ同じ追い風0.3mの条件で行なわれ、今季世界最高記録を持つグラント・ホロウェイ(アメリカ)が13秒10で優勝した。3位までは13秒1台だったが、4位は13秒29、5位も13秒30という結果。もし、高山が準決勝で予選と同じように走っていれば、当然決勝には進めただろうし、決勝でも4位争いは十分にできる結果だった。

「この舞台で、あのスピード感を出せたということは、僕にとっては大きなポイントになると思います。それをしっかり体に記憶させることが最優先だと思うので、日本にこの感覚を持って帰り、(今後)予定している2レースで試せるように頑張りたいと思います。次に狙うべき13秒1台というのは、こういう大きな大会のあとでは難しいと思うので、まずは13秒3台をしっかり連発して、来年の東京五輪へ向けて弾みをつけたいと思います」

 彼が今回見せた走りは、来年の東京五輪へ向けて、この種目を一躍、期待の種目へと押し上げるものになっただろう。

 さらに、ともに今大会の代表にもなっていた泉谷や金井大旺(たいおう/ミズノ)にも大きな刺激を与えた。高山だけではなく、彼らも一緒に切磋琢磨することで、互いに高め合う状況になれば、男子110mハードルへの期待は膨らんでくるはずだ。

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