2019.09.27

朝原宣治が9秒台トリオに期待。
「リレーで金メダルのチャンス」

  • 佐久間秀実●取材・文 text by Sakuma Hidemi
  • 谷本結利●撮影 photo by Tanimoto yuuri

世界陸上のリレーについて語る朝原氏 photo by Tanimoto yuuri――桐生選手や小池選手が、さらに成長するためにも重要なことのように感じます。

「彼らもまだ若いですから、質の高いトレーニングを行ない、テクニックや身体能力を向上させ、世界のトップと競り合うことが当たり前になる経験と、自信をどれだけ得られるかですね。時には自分の体の状態を冷静に見て、ケガをしないよう注意することも忘れないでほしいです」

――過去最強との呼び声も高いメンバーが名を連ねる4×100mリレーは、「近いうちに世界一になるのでは」と期待されていますね。

「東京五輪まで約1年ありますし、選手たちがどこまで成長するのか楽しみです。今年の世界陸上では、ウサイン・ボルトがいなくなったジャマイカには勢いがないですから、アメリカとイギリスとの争いになると思います。メダル獲得の可能性は高いと思うので、あとは何色になるかですね」

――朝原さんも、現役の選手たちにアドバイスをすることはあるのでしょうか。

「2004年のアテネ五輪でリレーのメンバーだったツッチー(土江寛裕コーチ)が指導しているので、バトンパスなどのダメ出しをしようかな(笑)。それは冗談で、熟練したスタッフたちが、最速のスピードが出るための組み合わせ、誰かが駄目だった場合にどうするか、といったことを考え尽くしていますから心配ないでしょう。

 北京五輪の時は、チーム全員が『本当にメダルを獲れるのかな?』と緊張していて、スタッフたちも選手起用などで迷いがあっと思います。しかし今は、『メダルを獲る』という自信が大きくなっているでしょうし、金メダルに向けて世界屈指のメンタルを兼ね備えたチームになっているように感じます」

――先日、世界選手権でのリレーのオーダーが発表されました(小池祐貴-白石黄良々-桐生祥秀-サニブラウン・ハキーム)が、朝原さんの印象は?

「第1走の小池選手は、スタートがよくカーブもすばらしい走りをするので、チームに勢いをつけてくれると思います。100mと200mにもエントリーしているので、そのダメージがリレーのバトンパスに出る可能性を考慮しての、第1走での起用でしょう。第2走の白石選手は、今年、彗星の如く現れたスプリンターです。代表での国際レース経験を積み重ね、安定した実力を発揮できる選手へと成長しました。高いスピードを維持する伸びのある走りが特徴なので、それに期待です。