2019.09.14

箱根駅伝優勝監督が占うMGC
「優勝は?」「教え子3人はどうなる?」

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

---- 自立心の芽生えが、彼らをここまで成長させてきたと。

「そうですね。ふたりともご両親は長距離の選手ではないので、特別な遺伝子を受け継いでいるわけではないと思うんですよ(笑)。早くに自立して、自分で考えて競技に取り組んできたことが、彼らを今のポジションまで押し上げたのだと思います。そういうものがないと、大迫のようにアメリカに行ってひとりでやろうとか、悠基のように中学の時からずっと日本のトップランナーとして走り続けることは難しいと思います」

 今回のMGCで決定する東京五輪のマラソン代表枠は男女それぞれ2つ。熾烈なレースが予想される。設楽悠太(したら・ゆうた/Honda)、井上大仁(ひろと/MHPS)、服部勇馬(トヨタ)は、大迫とともに4強と言われており、彼らを軸にレースが進んでいくと予想されている。

---- ライバルたちも強力です。

「井上選手は昨年夏のアジア大会で優勝していますし、メンタルも強い。かなりいい走りをするんじゃないかなと思います。設楽選手は、力はあると思うのですが、夏のレースでの実績がないので、そこがどうかなって感じますね。でも、最終的には自分との勝負になっていくと思います」

---- コースマップを見て、勝負となるのはどのあたりだと思いますか。

「ペースにもよると思うんですけど、おそらくそれほど早くならないという予想から、35キロ地点からの勝負になるかなと思います。仮にハイペースになれば、力のない選手はどんどん振り落とされていくでしょうし、スローになれば最後に"よーいドン"の勝負になってしまう。また、『どうせ自分は無理だから』とかき回す選手も出てくるかもしれない。正直、どういう展開になるのか読みづらい。それが今回のレースの特徴だと思います」

---- 勝敗を分けるポイントは何だと思いますか。

「コンディション、相手の力量を知ること、あとはコースを含めた気象コンディションの3つでしょうね。この時期のマラソンは絶対にごまかしがきかないので、どこまで準備できたのか、どれだけ実力があるのかが試される。それがしっかりできている選手が、最終的に生き残る気がします」