異色の経歴の持ち主も。日本陸上界でいま注目すべき3人の女子選手 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Nakamura Hiroyuki

 3人目の注目選手は、100mでシーズン初戦から11秒54の自己新を出して注目されていた御家瀬(みかせ)緑(恵庭北高)。日本選手権では29年ぶりの高校生王者になり、今後の飛躍を期待させる走りを見せた。

 御家瀬は、全道高校大会で短距離のほかに走り幅跳びにも出場した影響で疲労が残っていたこともあり「体調を合わせてくるのが大変だった」と、状態はいまひとつだった。

 だが、決勝では追い風0.6mの条件の中、鋭い飛び出しでスタートダッシュが得意な土井杏南(JAL)とさほど差がない走りを披露。最後はしっかりと競り勝って、土井に0秒05先着して初タイトルを獲得した。

「優勝記録の11秒67は全道高校大会と同じでしたが、今のコンディションでこのタイムを出せたのはすごくよかった。これからの自信につながります。あまりプレッシャーにならないように楽しくやっていきたい」

 こう話す御家瀬が次の目標とするのは、土井が持つ高校記録とU20記録の11秒43をインターハイで更新すること。それを実現できれば、停滞気味の女子短距離に活力を与えられるはずだ。

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