異色の経歴の持ち主も。日本陸上界でいま注目すべき3人の女子選手 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Nakamura Hiroyuki

「冬期はこれまでのようにアメリカで練習するのではなく、時差のないオーストラリアに行き、12年ロンドン五輪優勝のサリー・ピアソン選手(オーストラリア)と一緒に練習をしてきました。32歳の彼女の練習や考え方を知ると同時に、一緒に走ることでスプリント力もついた」

日本選手権に出場できる喜びを感じながら、世界選手権出場を決めた木村文子日本選手権に出場できる喜びを感じながら、世界選手権出場を決めた木村文子 木村は、アジア選手権以降も13秒1台を連発。ゴールデングランプリ大阪ではシーズンベストを13秒11にし、6月2日の布勢スプリントでは追い風3.5mの参考記録ながら13秒01を出した。

 こうして徐々に調子を上げて迎えた日本選手権。準決勝は向かい風0.7mの条件の中、「ちょっと意識しただけで身体がびっくりするくらい動いてしまったので、ハードルに足をぶつけてちょっと焦ってしまった」と苦笑する走り。寺田明日香(パソナグループ)に0秒09遅れの13秒24の2位で決勝進出を決めた。それでも、決勝では2台目前後からしっかりとリズムに乗って先頭に立つと、3人が0秒02差で争う大接戦を制して、世界選手権内定を決めた。

 このレースで木村は、こんなことを考えていたという。

「私が初めて日本選手権の決勝に残ったのは大学4年だった2010年で、その時は13秒55での進出でした。今回は藤森菜那さん(明大)が私と同じように4年になって初めて決勝へ進んできましたが、準決勝では13秒43を出していました。そんな風に全体のレベルが上がっている中、(自分が)30歳を超えても一緒に走れているのはすごくうれしかった」

 喜びを感じながら走った日本選手権で6度目の優勝を果たした木村は、今シーズン残りの予定についてはこう話す。

「少し休養を取ってからスプリント種目にも出てスピードをつけて、9月にヨーロッパに行って速い選手と一緒のレースを経験して世界選手権に臨みたい」

 インビテーションで出場した17年世界選手権は準決勝に進んだが、そこでは最下位に沈んだ。今回は世界選手権でしっかり戦うことが目標だ。

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