東京五輪で金を狙う戸邉直人。
劣勢からみごとな修正力で跳躍した

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Nakamura Hiroyuki

 今年2月に2m35を跳んだあとに戸邉は、それ以上の高さを跳ぶためには踏切位置を、これまでより少しバーから遠くしなければいけないと話していた。遠くすることで跳びあがった時のバーとの距離感も変わり、そこの動きの微調整も必要となり、今はまだそこに苦しんでいる状況だ。

「僕は東京五輪で金メダルを獲ることを目指しているので、今年の世界選手権はメダル獲得くらいの争いをしなければと思っています。そのためには、決勝で2m30台後半を跳べるようにしなければいけないのですが、今はまだ技術的にはあまりまとまっていない。体力的にはすごくいい状態ですが、技術はまだ50%くらいかなと思う。あとは踏切地点の安定と、クリアランスの動きをもうちょっと微調整すれば高さも跳べるようになると思います。

 このあと、7月には1カ月間トレーニング期間を設けて8月からまた試合を始める予定なので、この1カ月間は後半戦や世界選手権へ向けてすごく大事なものになると思う。そこでうまくまとめられるようにしっかりやっていきたいですね」

 戸邉は4年ぶりのタイトル獲得を安堵すると同時に、東京五輪を見据えたうえで、まずは世界選手権に向けて意識を高めている。

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