東海大の「学生駅伝3冠」に暗雲。期待のエースたちがまさかの不調だ (4ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

「鬼塚は練習でやってきたことをうまく試合に結びつけることができていないですね。關は弱気になっています。1年の時の1万mでは、果敢に留学生についていったんです。それが今はできなくなっている。そこに何があるのか。何を恐れているのかって感じですね」

 両角監督は悩める鬼塚と關について、そう語った。

 關は、これから教育実習に入るため部を離れることになる。母校に戻り、高校生とふれあい、一緒に走ることで何かしらの刺激を受け、気持ち的に変われるものがあれば、チームに戻ってからのトレーニングはより意欲的にこなせるだろう。そうして7月に出場予定のホクレンで結果を出し、故障なく夏合宿を乗り越えることができれば、最終学年で3つの駅伝を走ることは十分に可能だ。

「最終学年ですし、最後にもう一度、箱根を走って優勝したい」

 昨年優勝したチームにあって走れなかった悔しさは、来年の箱根を走ることで晴らすしかない。

 5000mと1万mの結果は出なかったが、現時点において課題が見えたことは東海大にとっては大きい。出場した選手は主力だけに、これから調子を取り戻し、さらに成長する余地を残している。

 また、東洋大、法政大、国学院大、駒沢大などが結果を出し、着実にチーム力を上げて「打倒・東海」の準備を進めてきている。それを垣間見ることができたのは選手には大きな刺激になっただろうし、両角監督、西出コーチは強い危機感を抱いたに違いない。そして、それは今後の強化に十分、生かされていくはずだ。

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