2019.05.22

神野大地が描くMGCまでの青写真。
エチオピア合宿で得た気づきとは?

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Matsuo/AFLO SPORT

「設定タイムを6310秒にしていたので、まずまずですね。(青山学院大同期の)橋本(崚/GMOアスリート)に負けたのがちょっと不甲斐ないですけど(苦笑)。でも最初2分47秒ペースで入っても、いっぱいいっぱいになることはなかったですし、最後も大きく遅れることはなかった。

 足も、レースのあとは筋肉痛が少しありますけど、走っている時にきついというのはなかったです。ハーフでそういう感覚を得られたのは初めてで、これまでの練習の積み重ねと高地トレーニングの成果がしっかりと体に身についたからだと思います」

 エチオピアから帰国して2レースを終え、高地から下りてくるタイミング、そして高地トレーニングの成果について、神野はどう感じたのだろうか。

「今回2つのレースを経験して、僕自身は10日前ぐらいに高地から下りてきてレースに出るのがベストかなと思いました。そのくらいの時間を置いたほうが疲労も抜けて、体のコンディションを上げることができたし、高地トレーニングの効果も出せたので……。ただ、エチオピアもケニアも遠いですからね(笑)。長距離移動の疲れがあるので、その時差も少し考えていかないといけない」

 神野にとって、エチオピアから仙台国際ハーフまでが大きなくくりでの”合宿”だった。この期間に得られた練習メニューや調整方法、さらに高地から下りてきた時のデータは、MGCに向けて大きな収穫になったのは間違いない。

 仙台国際ハーフを無事に走り終えた神野の表情は、エチオピアからここまでやりきった感じがあったのか、非常に明るかった。

 また帰国してから神野は、新しい取り組みを始めた。それは、低酸素ルームで睡眠をとることだ。

「仙台のレースの前は、(標高)2300m(の低酸素状態)に設定して寝ていました。とくに寝苦しいとかはなかったですね。服部勇馬(トヨタ自動車)も低酸素で寝ていると言っていましたし、僕はケニアやエチオピアの高地で練習してきているので、ほかの選手よりも慣れるのが早いと思うんです。普段から高地の環境に身を置けるというのはすごく大事なことなので、これからは体の状態を見ながらですが、少しずつ高度を上げていきたいと思っています」