陸上界のサラブレッド橋岡優輝。やらかしちゃってもアジア選手権優勝 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AP/AFLO

 橋岡は、優勝が決まった瞬間「日本記録に3cm届かなかったんだ」と悔しさを感じたと振り返る。

「日本記録を超えられなかったので、達成感としては50%くらい。ただ、今回は勝ち切れてうれしかったけど、記録に対して悔しさが残ったのはよかったかなと。今までも僕はベストを出すと、そのあたりに記録が落ち着くことが結構あるので、これからも(今回出した8m)20くらいは跳べると思います。今シーズンのうちには8m30の後半まで跳びたいという思いはあるので、まだまだいけるという感覚はあります」

 昨年までは1試合の中での記録の幅は大きかった。だが今回は7m81が最低で、ファールは1回だけと安定していた。

 そんな橋岡は陸上界のサラブレッドだ。父親の利行さんは棒高跳びの元日本記録保持者で、日本選手権は7回優勝している。また、母親の直美さん(旧姓・城島)も中学時代から走り幅跳びや100mハードルで活躍していた100mハードルの元日本記録保持者で、日本選手権は100mハードルで2回、三段跳びで3回優勝した実績を持つ。

 その息子である彼自身は、中学時代から陸上を始めて、高校から走り幅跳びを中心にすると、17年には、日本陸連が素質のある原石を中・長期的に強化する「ダイヤモンドアスリート」に抜擢された(現在は修了生)。日本選手権は17年、18年と連覇しており、昨年7月のU20世界選手権では、日本人フィールド種目初の優勝者になるなど、着々と実績を積み上げている。

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