マラソンで東京五輪をめざす鈴木亜由子。トラックとの相乗効果を実感 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

まずは、2020年の東京五輪を見据えてマラソンに取り組むまずは、2020年の東京五輪を見据えてマラソンに取り組む 初めて経験したマラソンは、練習より呼吸はきつくなかったものの、ラスト10kmで太腿の前側やふくらはぎに痛みが出た。

「単純に地面からの衝撃に耐えきれない状態だったので、力不足や練習不足を感じました」

 ただ、中間点を1時間14分44秒で通過した時はこんなことを考えていたという。

「これで(タイムが)落ちなかったら記録はクリアできるんだ。たぶんこれより落ちることはないな」

 そして、走り切ったあとはこんなことを思っていた。

「マラソンを走ると体には何かしらの異変が起きていると思うので、自分の体との対話が必要だなと思いました。まだ1回走っただけですけど(笑)」

 北海道マラソンのあとは1カ月間走らない時期を経てから練習を再開し、駅伝も走った。そこからはとくに質を上げることなく練習を継続し、年末年始の徳之島合宿ではアップダウンのあるコースを走り込んだ。

 冬シーズンにもう1回マラソンを走るという選択肢もあったが、「やるなら今度はもう少し準備期間が欲しい」と断念。その代わりに、1月13日の都道府県対抗駅伝で最終の10km区間を31分08秒の区間2位で走り、2月3日には丸亀ハーフで、日本歴代3位の記録を出した。

「都道府県の10㎞をいいタイムで走れた時は、マラソン練習で脚が前よりできている分、トラックで走っても後半に伸びる可能性を感じました。丸亀ハーフは、直前に足の具合が少し悪くなった中ではベストは尽くせたと思います。北海道マラソンだけだったら、私も監督もまだわからないところがあったかもしれないですが、監督も『ハーフでスピードを確認できたから、そこはよかった』と言ってくれました」

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