神野大地がMGCで勝つための戦略。エチオピア合宿で何を得てくるか (4ページ目)

  • 佐藤俊●文・写真 text&photo by Sato Shun

 現地ではどういうトレーニングを行なう予定なのだろうか。ケニアでは単独練習はジョグぐらいで、基本的に現地グループに参加しての練習が多かった。

「行ってみないとわからない部分が多いのですが、ケニアに行った時はゼーン・ロバートソン(ニュージーランド)と練習していたんです。じつは彼、エチオピア人と結婚して、拠点をエチオピアに移したんです。ゼーンと一緒に......と考えていますが、エチオピアに住み始めて間もないので、ケニアのようにスムーズに練習できるのか、まだわからないんです。

 ただ、いまはモハメド・ファラー(イギリス)のチームが練習していて、ゼーンもその練習に参加しているので『大地も来たら参加できるよ』って言ってもらっています。とりあえず行って、自分の練習メニューをこなしながら、ゼーンと話をして進めていこうかなって感じですね」

 エチオピアではトレーニングだけでなく、現地で練習するチームの特徴やトレーニング環境、気候、食事など、いろんなことを見るという。

「ケニアとの比較で、最終的に9月のMGC前の合宿地を決めたいと思っています。ずっとケニアにいても進歩がないと思うし、僕はプロになってから現状の環境に満足せず、新しいことに挑戦してここまでやってきました。MGCを獲ったので、さらに挑戦するためのエチオピア合宿ですね」

 合宿や遠征に行くと、練習以外は割と自由な時間が多い。アフリカでは朝練習が夜明け前にあるので、基本的には早寝早起きだが、オフや自由な時間をうまく使ってリフレッシュするのも大事なことだ。

「オフの時、必ずやるのがアラームをかけずに寝ることですね。これ、サイコ―です(笑)。いつも睡眠は8時間ぐらいですけど、その時は10時間ぐらい寝ます。遠征先や普段、家にいる時は野球ニュースをまとめたユーチューブとかを見ています。映画とか2時間集中して観ることができないし、好きじゃないんですよ。趣味もないですしね。アフリカでは練習して、ごはん食べて寝るだけですね......ほんと(苦笑)」

 エチオピアには高木コーチと盟友の川崎友輝と3人でいくのだが、当初、川崎はエチオピアに行かない予定だった。しかし、高木コーチが「神野が一緒に来てほしいって言ってたよ」とラインを送ると「行くわ」とすぐに連絡が来たという。前回のケニア同様に3人でハードな練習に取り組み、楽しくやれそうだ。

 約1カ月、初めてのエチオピアで、神野は何を得てくるのだろうか――。

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