東京五輪へ不安増。露呈した日本女子マラソンの強化の遅れ (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

 そのほか、ダークホースとしては、前田穂南(天満屋)がいる。前田は、昨年の大阪で松田に負けたものの、25kmからスパートして30km過ぎまでトップを走って2時間23分48秒の自己ベストを記録した。次の出場予定は東京マラソンだが、2時間18分34秒を持つルティ・アガ(エチオピア)らが出場するスピードレースで得るものがあれば、一皮むける可能性もある。

 男子は昨年、設楽悠太(ホンダ)が日本記録樹立すると、大迫傑(ナイキ)が8カ月後に塗り替えるなど、一気に競争が激化し、MGCレースに21人が名乗りを上げている。それに比べると、女子の層の薄さは際立っている。そうした苦境が露呈してしまったのが、今回の大阪国際女子マラソンだったと言える。

 かつての強さを取り戻すために、甘さも見える選手の意識改革が第一に挙げられるが、選手を取り巻く周囲の環境も含め、日本女子マラソン界は変革が必要な時期なのかもしれない。

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