東京五輪へ不安増。露呈した日本女子マラソンの強化の遅れ (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

 今回のレースで新たにMGC出場権を獲得したのは、2時間27分39秒で4位になった中野円花(まどか/ノーリツ)のみ。日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは、「ここでMGC獲得者が4、5人出ると思っていたので、2時間28分切りがひとりというのは......。女子の強化が遅れていると思う」とショックを隠せなかった。また、この大会で期待されたのは、福士と田中というベテランで、女子マラソンの層の薄さがあらためて露呈した格好だ。

 3月の名古屋ウィメンズマラソンを見ても、期待できるのはマラソン初挑戦の昨年9月のベルリンで9位(2時間25分46秒)の上原美幸(第一生命グループ)くらい。

 今年9月に行なわれるMGCレースを睨めば、現在9人の出場が決まっているなかで、本番の東京五輪で期待できそうな存在は、自己ベストを2時間22分23秒まで伸ばしている松田瑞生(ダイハツ)が筆頭となる。

 その松田に、初マラソンだった昨年の名古屋で2時間23分07秒の日本人1位になった関根花観(はなみ/日本郵政グループ)と、昨年8月の北海道マラソンを2時間28分32秒で制した鈴木亜由子(日本郵政グループ)が、どこまで対抗できるか。

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