東海大・両角監督が1年前に
提案していた箱根駅伝「3つの改革案」

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kishimoto Tsutomu/PICSPORT/AJPS,Sato Shun

 第95回東京箱根間往復大学駅伝競争(箱根駅伝)は、東海大が10時間52分09秒の大会新記録で悲願の初優勝を飾った。これまで何度も優勝候補に挙げられながら結果を残すことができず、悔しい思いを重ねてきた。今シーズンは両角速(もろずみ・はやし)監督の指導のもと、新たな取り組みを行ない、すべてを箱根に懸けてきた。ついに優勝を果たした両角監督だが、昨年の1月、『web Sportiva』のインタビューで、箱根駅伝の3つの改革案を提案していた。両角監督が語っていた改革案とはどのようなものだったのか。

悲願の初優勝を果たした東海大の10区・郡司陽大悲願の初優勝を果たした東海大の10区・郡司陽大2018121日配信)

 201718シーズン、出雲駅伝優勝、全日本大学駅伝2位、箱根駅伝5位という成績を残した東海大学。その成績同様、スピード特化の強化スタイルや「黄金世代」に代表される個性的な選手で注目を集めて、陸上界に新しい風を吹かせた。

 そのチームを指揮するのが両角速監督である。長野の佐久長聖高校の監督時は都大路(全国高校駅伝)を制し、7年前に東海大学の陸上部長距離・駅伝監督に就任した。

「7年前と変わってきたこともあるが、変化しないことの方が多い」

 両角監督は現在の大学陸上界をそう見ているが、一方、右肩上がりで巨大化しているのが箱根駅伝である。今年の往路のテレビ視聴率は歴代1位の29.4%、復路は歴代3位の29.7%になり、夏の甲子園と並んで多くのファンを魅了し、正月の風物詩として定着している。箱根駅伝が大きく成長し続けているなか、選手たちの環境は数年間変わらないという。これからの学生陸上界、箱根駅伝をより華やかに、そしてさらに多くの人が楽しめる「魅力あるレース」にするために、両角監督が3つの「箱根駅伝改革案」を提言してくれた。

 両角監督が提起する箱根駅伝改革案は、3点ある。 

(1)スタート・ゴール地点を東京ドームに設定
(2)援助金の是正
(3)関東学生連合チーム、ユニフォームの統一化


 現在、箱根駅伝のスタートとゴールは読売新聞東京本社前になっている。両角監督は、そのスタートとゴールを東京ドームにすべきだと提案する。

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