首位・東洋大と1分14秒差。東海大が悲願の箱根初優勝へ視界良好 (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News,Kishimoto Tsutomu/PICSPORT/AJPS

1区で好走した東海大3年の鬼塚翔太1区で好走した東海大3年の鬼塚翔太 両角監督は言う。

「中島は下りが得意なので期待できますが、東洋大とは400mぐらい差があるので、ひとりで決めようとせず、次につなげる形で堅実に走ってくれればいいかなと。そこで少しでも前との差を詰めてもらい、7区の阪口(竜平/3年)の走りを演出できるような位置につけてほしい」

 ここに来て、7区に阪口に置いた戦略がポジティブな結果を生み出しそうな気配だ。

 東洋大は7区、キャプテンの小笹椋(4年)が走るが、スピードが持ち味の阪口で追いつくことは十分に可能だ。そうして8区の松尾淳之介(3年)がトップに立てば、9区には湊谷春紀(4年)が当日の選手変更で入る予定なので、優勝への道筋が見えてくる。

「8区でトップに立ち、9区でリードできれば」と両角監督は総合優勝への青写真を描く。

 1分30秒差であれば復路でチャンスがあると両角監督は述べていた。現実のタイム差は、想定タイムよりも短い。もはや4分20秒離れたうしろの青学大を意識する必要はなくなった。追うのは、東洋大のみ。

「今日は東海大らしい駅伝を見せられたと思います。明日も今日のようにつないでいきたいですね」

 両角監督は、自信にあふれた表情で、そう言った。往路のいい流れを紡いでいけば、初優勝は東海大の手中にあると言っていいだろう。

(つづく)

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