東海大指揮官、ストップ・ザ・青学大に自信。「チームの状態は100%」 (4ページ目)

  • 佐藤俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

 6区、7区、8区は実力伯仲のガチンコ勝負になる。するとレースは、10区までもつれてくるかもしれない。

 その場合、10区に入った郡司の存在が大きな意味を持つ。湯澤と同じく故障がなく、コツコツと努力するタイプでロードに強い。タイムでは青学大の10区吉田に5000mでは10秒、1万mでは17秒勝っている。

 全日本大学駅伝は吉田が5区で区間賞、郡司は6区で区間2位の走りを見せた。アンカー勝負になった時でも十分に戦える余力を残している。また、レースに出場できない"箱根0区"の選手たちも万全のサポート体制を敷いてきた。

 青学大と"タイマン勝負"できるチームが完成したが、ポイントはどこにあるのだろうか。

「青学大に勝つのは簡単じゃないです。絶対王者ですからね。駅伝はミスをしたところが負けますが、青学大はミスが少ない。それが強さの秘訣でもあります。自分たちはそのミスをせず、逆に相手のミスを誘発できるように、まずは復路で粘り強く走ることが勝利のシナリオになると思っています」

 青学大をリスペクトしながらも、今年のチームの仕上がりに自信を見せる両角監督。選手たちが「打倒・青学大」に向けて士気が上がるなか、監督の気持ちも同じく静かにメラメラと燃えている。

 果たして、夏から17キロ痩せた体は大手町で宙を舞うことができるだろうか。

(つづく)

  『箱根0区を駆ける者たち』(著者・佐藤俊)

箱根から漏れた4年生、11名の選手たちは、16名のエントリーメンバーが発表された日を境に選手のサポートに回る。
「自分らは、箱根0区なんです」西川主務は、そう言う。
<略>スポットライトは当たらないが、箱根を走る選手たちは彼らの働きに感謝し、本番に臨む。<略>区間エントリー、3名、0区エントリー、13名。東海大学陸上競技部中・長距離ブロック所属4年生、計16名の最後の箱根が始まった。(本文より)
付き添い、計測員、給水員、応援係……。「最後の箱根」で“戦力外”になった学生たちの挫折と再起を追った、感動のノンフィクション!

【発売日】2018年12月19日

【発行】幻冬舎

【定価】1300円+税

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