箱根駅伝で打倒青学大を狙う東洋大。ポイントは復路の選手起用にあり (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AJPS/AFLO

 また、全日本は1区11位からの展開で2区の西山が14位まで順位を下げたが、その後は少しずつ追い上げて7区の山本(4年)で3位になり、8区の相澤(3年)は青学大の梶谷瑠哉(4年)を21秒上回るタイムで区間賞を獲得。

 前回の往路を区間上位で走っている山本、相澤、西山、吉川の4人の主力が今回のキーポイントになると酒井監督は言う。昨年は全日本の2区で区間2位になり、箱根でも7区区間3位だったスピードランナーの渡邊奏太(3年)がエントリーメンバーに入れられなかったのは誤算だが、前回しっかり走った選手たちは高い意識を持って着実に力を付けてきている。

 今シーズンもエースを担う山本は、前回の箱根の後、疲労骨折が判明して練習に復帰できたのは7月からだったが、「自分の体と向き合うことができた半年間で無駄な時間ではなかったし、これまで以上にフィジカル強化にも取り組んできた。出雲は8割もいっていない状態で、全日本もまだ走り込み不足で、そこからしっかり走り込めている」と、調子を上げて本番に臨もうとしている。

 また、3年の相澤も「やっぱり自分はチームにとって区間賞を取らないといけない存在だと思う。山を登る人がやるくらいの練習をしないと2区の最後の坂は上れないので、昨年より山の練習量を増やした」と前回3秒差で逃した2区の区間賞獲得を狙う。

「西山も出雲と全日本はよくなかったですが、その後は練習も継続できている。彼も昨年の12月はほとんど走れない時期もあったんですが、それに比べるとすごく練習ができているので安心しています。それに吉川も出雲の後は少し不安が出て全日本は外れたものの、箱根に向けては仕上げてくるはず」

 こう話す酒井監督が注目しているのは、前回6区を走って59分31秒で区間5位になっていた今西(3年)だ。「昨年の彼は部内の選考会の後で6区に行くと決めて、その後の出雲があまりよくなくて全日本はメンバーから外れての箱根というところでした。箱根を終えてから意識が変わり、その後のアジアクロカンでは実業団の選手を抑えて銅メダルを獲得していますし、世界学生クロカンにも出場しました。

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